2010年3月8日月曜日
山妣(やまはは) by 坂東眞砂子
第一章 雪舞台
越後の山里に二人の芸人がやってくる。
涼之助はふたなりだが、大地主の嫁・てると密通をする。
第二章 金華銀龍
第一章を遡ること20年前。
君香(いさ)は越後の鉱山町で遊女をしていたが、女将の金塊を盗み文助と共に山中に逃亡する。
しかし文助は身重の君香を一人残し去っていった。
君香は叉鬼・重太郎に助けられ、娘・ふゆを出産。
その後、重太郎と暮らし始め彼の子供を出産するが、重太郎は生後間もない子供を連れて君香のもとを去っていった。
第三章 獅子山
重太郎が去った後も山に残った君香は、時を経て山姥(山妣)に姿を変える。
そして登場人物の来歴が明らかになっていく。
君香(いさ)、つる(ふゆ)、涼之助の関係とは?
最後に待っているのは、悲劇的な結末。
凛とした君香(いさ)の生き様がとってもいい。
10年ほど前の直木賞受賞作品。
実は3ページほど読んだところで、一度放り出した。
方言が多かったのと、時代が明治末期で読みにくかったから。
でも妙に気になったので、再挑戦してみた。
いろんな意味で重い、面白い。
みごとな描写と文章の迫力。
長い長い小説なんだけれど、この作品にはこれだけの長さが必要だと思った。
むしろ足りないくらい。
最後の終わり方が少々安直過ぎる気がするが、それでも面白い。
妖しい魔力のある作品だと思う。
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