2010年2月4日木曜日

神様のカルテ by 夏川草介


栗原一止は本庄病院(24時間365日対応)に勤務する内科医。
夏目漱石の『草枕』をこよなく愛するはゆえ、話しぶりは古風。
酔うとボロッと言ってはいけない本音を漏らす。
口が悪くて、身だしなみも適当で、変なしゃべり方でなんだか難しいことばばっかり使って何を言っているのかわからないことがたくさんあるけれど、患者さんのことだけはとても真剣に考えている。
さらに、山岳写真家の妻・ハル(榛名)を愛している。
優しい優しい心をもつお医者さん。
でも感情表現が下手で無骨な感じ。

安曇おばあちゃんの手紙・・・泣けた。
  『病の人にとって、もっとも辛いことは孤独であることです。
   先生はその孤独を取り除いてくださいました。
   たとえ病気は治らなくても、生きていること楽しいと
   思えることがたくさんあるのだと教えてくださいました。
   ・・・・・・・
   先生のおかげでこんなにも楽しい時間を過ごせました。』

作品中に散りばめられたウィットとユーモア。
選りすぐられた言葉。
この人の文章は大好き!

とっても心温まる話なんだけど、ちと盛り上がりにかけるかも。

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